勇の家は広々として部屋数も多く、選手たちを受け入れるには充分な環境です。
「和田さんの家なら申し分ありません。ぜひご協力をお願いします」
清水委員長は勇の申し出をとても喜びました。
「日本選手のためにお役に立てるなら、ぼくも女房もこんなうれしいことはないですよ」
勇は選手たちの滞在費用についても、すべて負担することにしました。
八月十三日、選手団が和田邸にやって来ました。
風呂ではなくシャワー、布団ではなくベッド、と日本と習慣の違うアメリカでの生活は、
選手たちにとって苦労と緊張の連続です。
九日間の滞在期間中、選手たちが少しでもリラックスして過ごせるよう、
勇も正子も仕事や家庭のことを二の次にして、心を込めてもてなしました。
夫妻の子どものまり子と勇二も選手たちとよく遊び、選手たちの大会前の緊張をほぐしました。
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