■わだいさむものがたりP.2

御坊ロータリークラブ和田勇委員会

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 12歳-家を出る勇(イラスト) 五年後、勇は、商売が軌道に乗った父・善兵衛に
再びアメリカ・ロサンゼルスに呼び寄せられましたが、
母・玉枝は出産が原因ですでに亡くなっており、
岸埜(きしの)という女性が新しい母となっていました。
母親の違う兄弟が次々と生まれるなか、
善兵衛の商売はうまくいかず、勇は再び寂しさと貧しさに耐えねばなりませんでした。
そして家庭での居場所を見つけられない勇は、十二歳のときに家を出たのです。
勇は農園の雑役夫など住み込みの仕事を点々としながら、学校に通いました。

十七歳のとき、農作物の小売りチェーンに就職。
熱心に仕事に打ち込んで、一年後には店長となり、少しずつ青果業の経営方法を身につけていきました。
そして二十歳でオークランド市内に、念願の自分の店を開店。
二十六歳で正子と結婚するころには、
勇は三つの店舗と二十五人の従業員を抱える立派な実業家となっていました。